大国主命-1(大物主) 大神神社-1
10月8日の誕生花 シコンノボタン (紫紺野牡丹)
花言葉: 平静、自然
オオクニヌシといえば、出雲大社の祭神。心優しいと言われていたオオクニヌシ。彼は優しいだけでなく、頭も良く、医術にも明るかった。ただ、その優しさと優秀さ故に、兄たちの嫉妬を買う。有名な話は「因幡の白兎」である。兄たちと美しいヤマガミヒメという娘を見に行く道中、サメに嘘をついたために皮を剥ぎ取られて苦しんでいた一匹の兎と出会う。兄たちは、塩水をかけ風に当たると治ると言い、さらに兎を苦しめた。そこに遅れてきたオオクニヌシが通りかかり、苦しんでいる兎を介抱した。その手当に使ったのが、彼が手にしている「がまの穂」である。彼の介抱により兎は瞬く間に回復した。その兎は「あなたこそがヤマガミヒメと結ばれるでしょう」と告げた。その予言通り、オオクニヌシはヤマガミヒメと結婚することになった。それを知った兄たちは、オオクニヌシの命を奪おうと、真っ赤に焼けた大岩を山から転がし、オオクニヌシを殺してしまう。(鳥取県 赤猪岩神社)乱暴者だった兄たちにとって、オオクニヌシは大人の顔色をうかがう優等生で、自分たちを蔑んでいるように感じていたのかもしれない。彼の死を見て悲しんだ母親が、天津神に頼み、生き返らせてもらう。それでも兄たちは再びオオクニヌシを殺し、そのたびに母親が神様に頼み、蘇らせた。母親が最後に頼ったのは、オオクニヌシから遡ること六代目の祖先スサノオである。オオクニヌシは、スサノオを訪ねて出雲国まで赴く。そして、出雲に着くと心奪われる一人の女性と出会った。その女性こそ、スサノオの娘スセリビメである。オオクニヌシは、スサノオに認められようと様々な試練を耐え忍ぶ。その姿にスサノオは、オオクニヌシを婿として認め、スセリビメと一緒になることを許す。さらに、葦原の中津国を治めるよう大業を任せた。オオクニヌシはスクナビコ(小人神少彦、一寸法師のモデル)と共に、国づくりを行う。国づくりは順調に進んでいくが、ある日突然スクナビコが「もう私は必要ないだろう」と、海の彼方に去って行った。突然のことに困り果てたオオクニヌシ。その時に海の向こうから光り輝く神様が現れ、「大和国の三輪山に自分を祀るように」という声が、どこからともなく聞こえてきた。オオクニヌシは「そなたは誰ですか」と問うた。その声は「我は汝の幸魂(さちみたま)奇魂(くしみたま)なり」と答えた。そう。それは、オオクニヌシ自身の魂の声だったのである。恐れや不安を抱いても疑うことなく、己が決めたことを貫きなさい。それが、あなたの真の願い。何を疑おぞ。疑うことなかれ。疑うのならば、己が決めた自分の意志が揺らぐことを疑うべし。これは、道に迷ったときに誰もが抱くことであり、すべての人に通じるものである。出雲大社の祝詞の最後に「奇魂(くしみたま)幸魂(さちみたま)守給(まもりたまえ)幸給(さきわへたまえ)」と唱える。 この国は、争うことによってつくられた国ではない。女性を愛し、その愛を貫き、様々な試練に打ち勝ち、その想いが認められたことで国づくりが始まっている。この国の国土を形作ったイザナキやイザナミも、そうである。二人の愛によって国がつくられた。
全国に約84,000社ある神社の中で「大国主神」を祀る神社は非常に多く、各地の「一の宮」を中心に無数に存在するため、今回は特に主な神社を列挙します。
出雲大社(島根県出雲市)・大神神社(奈良県桜井市)・物部神社(島根県大田市)・大洗磯前神社(茨城県大洗町)・神田明神 (東京都千代田区)・大國魂神社(東京都府中市)・氷川神社(埼玉県さいたま市)・一之宮貫前神社 (群馬県富岡市)・二荒山神社(栃木県宇都宮市)・日光二荒山神社(栃木県日光市)・大前神社(栃木県真岡市)・高瀬神社(富山県南砺市)・気多大社(石川県羽咋市)・気多本宮(石川県七尾市)・小国神社(静岡県周智郡)・富士山本宮浅間大社(静岡県富士宮市)・諏訪大社(長野県諏訪市、諏訪郡)・南宮大社 岐阜県不破郡)・飛騨一宮水無神社(岐阜県高山市)・日吉大社 西本宮(滋賀県大津市坂本)・建部大社(滋賀県大津市)・砥鹿神社(愛知県豊川市)・出雲大神宮(京都府亀岡市)・愛宕神社(京都府亀岡市)・一宮神社(京都府福知山市)・地主神社(京都府京都市)・大国主神社(大阪府大阪市)・道明寺天満宮(大阪府藤井寺市)・高砂神社(兵庫県高砂市)・伊和神社(兵庫県宍粟市)・中山神社(岡山県津山市)・飛瀧神社(和歌山県那智勝浦町)・金刀比羅宮(香川県仲多度郡)・八桙神社(徳島県阿南市)・薬師神社 – 全国各地ほか、全国の出雲神社
和歌山県に鎮座する「大国主神社」大国主が殺害され再生された鳥取県の「赤猪岩神社」2020年6月にこのブログで紹介した「出雲大社(いずもおおやしろ)」今回は出雲大社と並ぶ日本最古の神社 奈良県桜井市に鎮座する「大神神社(おおみわじんじゃ)」を二回に分けて紹介いたします。
記紀によれば、大国主神(大己貴神)は少彦名神とともに国造りをしていたが、大国主が、「お前は小さな神だな」と愚弄したために、国造りなかばにして少彦名神は常世に帰ってしまった。大国主神が「この後どうやって一人で国造りをすれば良いのだ」と言うと、海原を照らして神が出現した。その神は大国主の幸魂奇魂(和魂)であり、「大和国の東の山の上に祀れば国作りに協力する」と言った。この神が御諸山(三輪山)に鎮座している大物主神であるという。この神を祀ったのが、現在の大神神社と言われる。大神神社は纒向・磐余一帯に勢力を持った出雲ノ神の一族が崇敬し、磐座祭祀が営まれたとされる日本でも古い神社の一つで、神奈備信仰様式をとった神聖な信仰の場であったと考えられる。大穴持命が国譲りの時に、己の和魂を八咫鏡に取り付けて、倭ノ大物主櫛甕玉命と名を称えて大御和の神奈備に鎮座した。これが三輪神社の創始である。(『出雲国造神賀詞』)
大神神社は三輪山(三諸山)を神体山として直接、拝するようになっているため本殿をもたず、山中には上から奥津磐座(おきついわくら)・中津磐座(なかついわくら)・辺津磐座(へついわくら)の3つの磐座がある。


「二の鳥居」左手前に酒樽が置かれています・崇神天皇が酒造りを命じ、三輪山の神々に奉納したという伝承があるため、三輪山の神様は「お酒の神・醸造の神」として信仰されています。全国各地の酒造業者が集まった「酒栄講」から、樽酒が奉納されています

全国の蔵からお酒が奉納されていました。

二の鳥居
祓戸神社(はらえどじんじゃ)二の鳥居をくぐり、玉砂利の敷きつめられた参道を進むと初めて左に鎮座するのが祓戸神社です。心身を祓い清める神様を祀っています。まずはここでお参りをします。ご祭神は瀬織津比売(せおりつひめ)、 速開都比売(はやあきつひめ)、 気吹戸主(いぶきどぬし)速佐須良比売(はやさすらひめ)の四柱です。
縄鳥居 左右の2本の柱の間を大注連縄が渡してあります。他の神社ではあまり見られない古代の鳥居です。
拝殿(重要文化財)は鎌倉時代に創建された。現在の拝殿は寛文四年(1664)徳川四代将軍家綱公によって再建されたものです。白木造りの質実剛健な建物は横が約17m(桁行九間)、縦が約8m(梁行四間)の切妻造(きりづまつくり)で、正面には唐破風(からはふ)の大きな向拝(こうはい)がつき、屋根は檜皮(ひわだ)で葺かれています。
拝殿向かって左側にある「参集殿」には、かわいい「なで兎」もいます。大物主大神が出雲の大国主神と同一神であるということから、大国主神が因幡の白兔(いなばのしろうさぎ)を助けたという有名な神話も、こちらがウサギと関わりが深いことを表しています。
祈祷殿の前に建つ「宝物収蔵庫」。古代 祭祀関係の出土品など、多数の貴重な文化財が展示されています。
3殿の左から南に上がる道が、くすり道と呼ばれています。 薬の神様・狭井神社への参道には多くの薬用植物が育っています。くすり道から右に行くと活日神社が在ります。
活日神社(いくひじんじゃ) 祭神:高橋活日命
崇神天皇の時代に大神神社の掌酒を務めた名人を祀る。記録に残る日本最初の杜氏であり、酒の神として知られる。崇神天皇時代、疫病流行で国が混乱を極めている中、天皇は夢で大物主大神様(おおものぬしのおおかみさま)から「私の子孫である大田田根子(おおたたねこ)を祭主にし、酒を奉納しなさい」とお告げを受けました。それを聞いた天皇は高橋活日命(たかはしいくひのみこと)を呼び、一夜で酒造りを行い神酒を奉納しました。すると疫病は去り、国が富みはじめました。このことより高橋活日命は杜氏の神様として大神神社の摂社「活日神社」にまつられました。まさに酒が国を救ったのです。その時に高橋活日命が詠んだ詩「此の神酒は 我が神酒ならず 倭なす 大物主の 醸みし神酒 幾久幾久(この神酒は私が醸したものではなく、大和の国をおつくりになった大物主神が醸された神酒です。幾世までも久しく栄えませ )」
参道の途中にある小さな摂社「磐座神社(いわくらじんじゃ)」。大物主大神と力をあわせて国土を開発した「祭神:少彦名神(すくなひこなのかみ)」が祀られています三輪山周辺に点在する辺津磐座(神が鎮まる岩)の中心である。

倭姫命世記および延喜式神名帳の大和国の式内社一覧
桜井市立埋蔵文化センター「三輪山西麓の磐座を訪ねて」
大神神社 (桜井市) (1987). 大神神社社務所
両陛下、皇室ゆかりの大神神社ご参拝
外部リンク
ウィキペディア
ウィキメディア・コモンズ
大神神社 - 公式サイト
大神大物主神社 - 國學院大學「神道・神社史料集成」
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